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前に進もう…少しずつ。少しずつ。

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通奏低音のレッスンでどんな内容を扱っているか、簡単にご紹介したいと思います。

-通奏低音という言葉を初めて聞く方、よくわからないなという方はコチラ
簡単な説明のページです。

-レッスンの料金設定などについてはコチラ


・初心者の方
①数字の読み方と練習
初心者の方には基本的な数字の読み方の勉強が中心ですが、数字がシンプルな曲にも同時並行で取り組んでいただいています。
また、綺麗なポジションで弾けるようになるために、練習課題としてJ.-F.ダンドリューの「チェンバロによる伴奏の原則 Principes de l'Accompagnement du Clavecin (1718) 」の譜例に取り組みます。


順番としては、
・5の和音
・6の和音(「シンプルな6」と「小さな6 Petite Sixte」)
・4→3の繫留 - このあたりで17世紀イタリアの作品に取り組みます。
・7の和音
・56と減5度の和音
・2の和音
・オクターブの規則 - このあたりで18世紀フランスの作品に取り組みます。
・9の和音
・その他の不協和音
という具合です。よく使われる和音のパターンやシークエンスについてもその都度見ていきます。
②演奏の方法
アルペジオやStyle luthéなど、どう和音を弾いていくか、鍵盤用のソロ曲や、色々な一次資料を一緒に見ながら演奏法の仕方も少しずつ勉強します。
③ソロ曲の分析
既に弾いたことのある曲を通奏低音で分析してみて、どのように作曲されているか詳しく見ていきながら、レアリゼーションのヒントを探します。
・経験者の方
既に数字付き低音を読める方は、各人のご希望に沿ってレッスンを進めていきます。
①様式に沿ったレアリゼーションの方法
基本的には個人的に勉強したい作品を挙げていただき、その作品に近い一次資料を一緒に見ていきながら、様式に沿ったレアリゼーションの方法を探ります。

資料色々・・・(ここでは資料の名前は敢えて出しません。。。)





②対位法、作曲法について

良い通奏低音を弾くためには基本的な対位法の知識が必要不可欠です。時代を16世紀まで少し戻って、P.アロンやM.グイリエルムスを参考に対位法や、終止形のときの各クラウスラについて勉強します。
この勉強は、通奏低音を基礎にした即興演奏をしたり、旋律楽器奏者の方が対旋律を作ったりするときにも、有用かなと思います。
③即興演奏
様々なオスティナートバス、プレリュードやトッカータなどの前奏曲、舞曲などの即興演奏に挑戦します。



残っている作品や17世紀、18世紀の教則本からヒントを探します。

このような感じでレッスンを行います。
ご興味ありましたら、是非こちらの申し込みフォームからお気軽にお問い合わせください。

拍手[3回]

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ここでは、通奏低音がどんなものかざっくり説明します。

「通奏低音Basso Continuo(伊)」は1600年前後にイタリアで発達し、その後ヨーロッパの他の国にも広まった理論、または演奏習慣と言えるものです。
簡単に言うと、曲の最低声部に対して適切な和音を付けて、伴奏したり、作曲したりするもので、主にバロック時代と区分される17世紀~18世紀には、この理論がベースとなって音楽が作られました。

作曲された音楽の中に出てくる際には、

「数字付き低音(Figured bass(英)bezifferter Bass(独) basse chiffrée(仏) basso numerato(伊)etc...)」

と呼ばれる、演奏する和音のガイドとなる、数字がその曲の最低音の声部に付けられた記譜法で書かれ、鍵盤楽器やリュート、ハープなどの和音を出せる楽器、チェロやファゴットなどの低音の旋律楽器が単体、または複数組み合わされてそのパートを演奏しました。

〇伴奏

例えば、これはジュリオ・カッチーニの「愛の神よ、私は去り行くAmor, io parto, e sento nel partire」ですが、上の声部が歌、下の声部が「数字付き低音」で書かれています。


この楽譜を見ながら、例えばこんな風に和音を付けて伴奏します。


このように、「数字付き低音」に基づいて和音を付けていくことをレアリゼーションと言います。伴奏するときには和音や声部を補うことで、アンサンブルをしっかり支え、曲の骨格を作ってあげるのが通奏低音の役割です。
そのため、通奏低音奏者には対位法、和声、言葉、舞曲のリズムなどなど、様々なことに対する知識が求められます。

どのように和音をレアリゼーションしていくかについては、各時代、各国で残っている資料を基に知ることが出来ます。
例えば、このカッチーニのレアリゼーションは4声のシンプルな形で書いてみましたが

声部の数、
アルペジオの方法、
和音の種類

などには様々な可能性があります。

〇分析や作曲、即興に取り組むために…

通奏低音はバロック時代の「伴奏法」だけに使われるものではありません。作曲や分析のベースになっているものです。
通奏低音の和音にはいくつか良く使われるパターンがあります。特に時代が下るにつれて、曲の中に現れる和音の進行が似通ってくるため、パターンを知っているだけで弾きやすくなり、曲も理解しやすくなってきます。


例えば

カデンツの形の1つ



4→3の繫留

7の連続

7→6の連続

5→6の連続


等々です。これらに加えて、パッサカリア、フォリア、パッサメッツォ、ルッジェーロなどの各種オスティナートバス(固執低音)も決まった低音の動き方を繰り返します。

数字が読めて、これらの和音のパターンを少しずつ知っていくことで、各楽器のソロ曲や、通奏低音のつかない無伴奏の単旋律の曲など、様々な曲の分析に取り組めるようになります。
また、同じ和音の進行や低音の動き方を真似して、それぞれの様式での即興演奏にも有用です。

ここに紹介したのは代表的な進行の一部ですが、レッスンではこれに加えて対位法を学んだり、取り組む作品に合わせて各時代や各国の理論書を一緒に見ていくことで、バロック時代の音楽家たちの「耳」に近づけるよう勉強していきます。









拍手[6回]

結局2か月近く続いた外出禁止ですが、明日で一応終わりになります。

商業施設やレストランなども段階的に営業を再開されるそうですが、CNSMは学校の授業、卒試、修士リサイタル、その他諸々のコンサートも無くなり、この2か月の間で色々なショックを受けました。また、今後も再流行しない確証は全くないので、不安は依然残ったままです。


本当だったら論文関係全てが終わったこの期間に、秋に日本に完全帰国してからどうするかとか考えて、どんどん準備も進めたかったのですが、今は日本の状態も楽観視できるものではないため確実な予定を決め辛く、なんとなく出鼻を挫かれた感はあります。

それでも何もやらないよりはマシかなと思って、オンラインのレッスンを始めてみました。正直、まだまだ駆け出しなうえ、この状況でお知らせを広めことには、難しさを感じざるを得ません!

ですが、対位法、言葉、一次資料等々、多くの知識が必要になる通奏低音について、一度に情報を伝えすぎたり、話が難しくすぎたりしないように工夫しながら行っている今のレッスン内容は、留学する前には絶対に出来なかった内容だと思うので、リヨンに来てから特に力を入れて勉強した理論面のことを、こういう形で役立てて伝えることが出来るのは嬉しく、精神的にも励みになっているなあと思います。今後も改善しながら頑張って取り組みたいと思っています。


今は日本も海外も、演奏家がこの状況下でどうにか音楽を発信し続けるために試行錯誤しています。僕自身もどうやって活動していくか自分で考えない日はありません。友人や先生と話して意見を交換して色々な方法を模索している最中です。特に日本は政府の行動も鈍く、方向性も良くないという、ウイルス以外にも大きな不安要素があります。どういう対策が良いのかは誰にもわからににしても、日本の現状は酷いもの。フリーランスのアーティストにとっては輪をかけて苦しい状況に思えます。

その分、日本の方がオンラインでの仕事の仕方がフランスよりも多様な気がします。中には僕にとっては受け入れにくい仕事の方法であっても、多くの人が支持していることもあれば、その逆のパターンもありますが、それでも何か行動していかないことには何も見えてきません。見ている限りでは、演奏者と聴き手、プロとアマチュア、先生と生徒等、それぞれの立場からの価値観の相違も強く感じます。

皆が自分のやりたいことと、経済的な問題の折り合いをつけながら、今後それなりに長い期間をかけて音楽を続けていく方法を確立していかなければならないかなと思っています。

それでも、こんな時だからこそ、自分がどういう音楽家でありたいか、どういう働き方をしたいか、落ち着いて慎重に考えていかなければいけないのかもしれないなと思っています。







拍手[4回]

5月よりオンラインレッスンを実施します。
主だっては通奏低音のレッスンですが、ご希望の方にはチェンバロ、バロックハープ、中世ハープのソロのレッスンも行っています。

通奏低音のレッスンについて、詳しい内容はコチラから
そもそも「通奏低音って何かよくわからない。良く知らない」という方は、こちらのページで簡単な説明をご覧いただけます。

通奏低音のは、鍵盤奏者の方だけでなく、旋律奏者の方、歌の方の楽曲分析や理論の理解、即興演奏の基礎としてお役立てていただけると思いますので、是非一度ご体験下さい!
初心者の方にも、経験者の方にもレッスン毎に復習に使っていただけるPDFをお渡しして、じっくり取り組んでいただいています。

詳しくは以下をご覧ください。

〇プロフィール
僕のプロフィールはコチラからご覧ください。

〇内容
基本的には楽典と通奏低音を中心に続けさせていただきます。
旋律楽器、声楽の方も楽曲分析に有用だと思いますので、どうぞ一度ご体験下さい。

・楽典(音程、リズム、和声...その他の基礎理論諸々)
・通奏低音初めての方…数字付き低音の読み方(和音の種類やカデンツの勉強)、実施例の添削
・通奏低音経験者の方…実施例の添削、即興演奏の練習
その他、個人的に勉強したいことがある方はレッスン内容をカスタマイズします。

・ソロについて
ソロのレッスンに興味を持って下さっている方もいらっしゃいましたので、
録音を送っていただいて、それにコメントさせていただく(メール、またはSkype、Zoom)
という形でのみ実施します。
対象は
チェンバロ、ゴシックハープ、バロックハープを既に経験している方

または

ピアノで弾くバロックの曲を、チェンバロ奏者の視点を交えて見てみたい方

とさせていただきます。
※初めて楽器に触れる方にオンラインで体験のお手伝いをさせていただくのは難しいため、初心者の方へのソロのレッスンは現状開講できません。ご了承ください。

演奏の解釈はもちろん、曲の分析や歴史的背景のお話も通して、音楽に向き合うお手伝いが出来れば嬉しく思います。

〇レッスン料
・通奏低音
-初回のみ無料(30分)
-1時間/ 4000円
-30分/ 2000円
30分(2000円)単位での追加可能とします。(最長2時間レッスン時間は2時間まで)まとめて長くレッスンしたい時にご検討下さい。

・ソロのレッスン
-初回のみ無料(メールでのコメント1通分/Skype、Zoomでの通話30分以内)
-メールでのコメント1通分/ 3000円
-Skype、Zoomでの通話40分以内/ 3000円

〇お申込み

初回の無料レッスンは、こちらのお申込みフォームよりお願い致します。
初回レッスンお申込みフォーム

その他詳しいお問い合わせは、メールでも受け付けています。

event.hs831.cembalo@gmail.com


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皆様いかがお過ごしでしょうか?

フランスはまだ外出禁止が続き、まだ長引きそうな様子です。
日本でも感染者が増えているようなので、ご自身や大切な方のためにも、健康にはお気を付けてお過ごしください。

さて、4月20日から5月2日までの2週間、試験的にSkype、Zoomを使った無料のオンラインレッスンを行いたいと思いますので、お知らせさせていただきます。
初の試みなので探り探りですが、皆様が音楽を楽しむお手伝いが少しでもできればなあと思います。これより後の期間は、このお試し期間の様子を見て、料金設定などをさせていただくかもしれませんが、まだ未定です。 流石にソロのレッスンをするには、音質の問題は無視できないので、主な内容はバロック音楽の理解に必要な通奏低音、全く音楽の基礎の理論に触れたことのない方のための楽典に限定します。通奏低音の理解にはどうしても基礎的な理論の土台がないと厳しいので、理論に触れたことが全くない方はこちらを選択してください。

それぞれのレッスンコースは3つに分けるつもりで、それぞれの大まかな内容は
・楽典(音程、リズム、和声...その他の基礎理論諸々)
・通奏低音初めての方…数字付き低音の読み方(和音の種類やカデンツの勉強)、実施例の添削
・通奏低音経験者の方…実施例の添削、即興演奏の練習

その他、個人的に勉強したいことがある方はレッスン内容をカスタマイズします。

僕の専門は鍵盤楽器とゴシック、トリプルハープですが、どなたでも受講していただけます。もちろん歌手の方、旋律楽器奏者の方もOKです。理論を理解すると、ソロの曲にも今後グッとアプローチしやすくなるかと思います。 もしご興味があれば、お気軽にこちらのフォームからお申込み下さい。これ以外のレッスンをご希望の方もこちらのフォームにご記入ください。出来る限り対応致します。 無料レッスンお申込みフォーム


※スカイプ、Zoomなどのオンラインアプリに抵抗がある方、不安がある方はメールでも対応可能です。こちらのアドレスまでお気軽にお問い合わせください。

event.hs831.cembalo@gmail.com

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プロフィール

HN:
曽根田 駿 Soneda Hayao
年齢:
32
性別:
男性
誕生日:
1992/08/31
職業:
チェンバロ、古楽ハープ弾き
自己紹介:
愛媛県松山市出身。
4歳からピアノを始める。
松山南高等学校在学中、チェンバロに出会い転向する。

東京芸術大学音楽学部器楽科チェンバロ専攻卒業。在学中、2年次よりバロックダンス部の部長を務める。
2015年より渡仏し、リヨン国立高等音楽院CNSMDLのチェンバロ専攻学士課程に在学。2018年6月に演奏家ディプロマDNSPMを取得した。
2018年9月より、同校のクラヴサン―通奏低音専攻修士課程、及び古楽ハープ学士課程在学。

ピアノを冨永啓子氏、チェンバロを石川陽子、大塚直哉、西山まりえ、Y.レヒシュタイナー、J-M.エイム、D.ベルナーの各氏に師事。
古楽ハープを西山まりえ、A.モイヨンの各氏に師事。

2014年3月に初のソロリサイタルを萬翠荘(愛媛)にて開催。
2015年3月には『ハープ祭り2015(西山まりえ氏主宰)』において、『プチっとリサイタル』に選出され、ゴシックハープで出演する。
東京芸大在学中より様々なアンサンブルとも共演し、ソロ、通奏低音共に研鑽を積んでいる。

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