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pas à pas

前に進もう…少しずつ。少しずつ。

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ってとても貴重で、恵まれていることだなと、今日ある人のお話を聞いていて気づかされました。

だからこそ、学べる者、演奏する者には真剣に考える義務があるなと。
一切の妥協を排除して、真摯に真剣に。

楽器を手に出来ること、楽譜を手に出来ること。
チェンバロが使われていた時代にしてみれば、まさに限られた、ごく一部の特権階級の贅沢。
それ以外の人からしてみれば、きっとリュリもコレッリもバッハも「誰ですか?」くらいな印象しかないに違いない。

それを考えれば今はネットで楽譜見放題、出版譜もピンキリではあるけれどあふれかえっているし、電子楽器やキットなどを含めれば、手に入らない楽器なんてほぼ無い。
もちろんお金あっての話だけれど、それでも日本では小学校でリコーダーをやるし、所謂楽器に触れないまま死ぬことなんて、ほぼほぼ無い。

それだけに音楽をやれることに対して喜びや大切さを感じにくくなっているんだな…。例え音大生であってもやっぱりありがたみが薄れている、自分は果たして本当に音楽を大切にしてきたかといわれると…正直あまり自信はない。
練習の1音だって本当は愛しんで、大事に美しい音を出さなきゃいけない。

日本から1度しか出たことのないがこういうことを言うのも、なんだか薄っぺらい気がして嫌だけれど、テレビや新聞で目に入る表面的な情報だけでも、「明日の自分の命があるかどうかさえ分からない」国で生きている人たちが沢山いることくらいは知っている。
昨日17日は阪神淡路大震災が起こった日。東日本大震災が起こったのだってすごく最近だ。そうやって日本でだって災害で命を落とす人、生き残っても家がなくなっている人が沢山いる。

そんな世界で、僕は音楽を演奏するし、勉強もしている。
それがどんなに幸せなことか、贅沢なことか。
音楽を演奏するのが誰か他人のためだなんてとても言えない。そんなこと言っちゃうこと自体、その他人のことを見下してる気がするし、音楽自体に自分の考えや祈りを押し付けているようで傲慢な気がするから。

せめて美しい音、愛のある音を出すことは忘れないでいたい。せめて音楽のことを真剣に、真摯に考え、演奏しよう。もしかすると、飛び切り幸運なことが起こって、誰かが涙を流してくれるかもしれない、誰かの心に寄り添うことが出来るかもしれない。
でもきっと、自分にあるものを総動員して、知識も体力も技術も精神力も、全部全部絞りっ切ってやっと出した音に付随してくる、小さなご褒美で、それを求めて演奏することに、おそらく意味はないだろう。

自分と音楽と対話を繰り返しながら、地道にやっていくしかない。

忙しくても、音楽をやれている喜びや幸せは感じていたい。それを感じることだって苦しいことだということもわかっているけれど、それでも今日も明日も音楽とともに生きていこう。
こんなこと書いたって、まだまだペーペーの僕には悩むことしかできないなあ…でも悩もう。答えは一生かかっても出ないかもしれないけれど。今生きている世界で、他の誰でもない自分が音楽を演奏する意味は、きっとあると信じて。

勉強しよう!



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プロフィール

HN:
曽根田 駿 Soneda Hayao
年齢:
32
性別:
男性
誕生日:
1992/08/31
職業:
チェンバロ、古楽ハープ弾き
自己紹介:
愛媛県松山市出身。
4歳からピアノを始める。
松山南高等学校在学中、チェンバロに出会い転向する。

東京芸術大学音楽学部器楽科チェンバロ専攻卒業。在学中、2年次よりバロックダンス部の部長を務める。
2015年より渡仏し、リヨン国立高等音楽院CNSMDLのチェンバロ専攻学士課程に在学。2018年6月に演奏家ディプロマDNSPMを取得した。
2018年9月より、同校のクラヴサン―通奏低音専攻修士課程、及び古楽ハープ学士課程在学。

ピアノを冨永啓子氏、チェンバロを石川陽子、大塚直哉、西山まりえ、Y.レヒシュタイナー、J-M.エイム、D.ベルナーの各氏に師事。
古楽ハープを西山まりえ、A.モイヨンの各氏に師事。

2014年3月に初のソロリサイタルを萬翠荘(愛媛)にて開催。
2015年3月には『ハープ祭り2015(西山まりえ氏主宰)』において、『プチっとリサイタル』に選出され、ゴシックハープで出演する。
東京芸大在学中より様々なアンサンブルとも共演し、ソロ、通奏低音共に研鑽を積んでいる。

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