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前に進もう…少しずつ。少しずつ。

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5/23の『小さな楽器の声』で演奏する楽器を少し紹介したいと思います。

第1弾はスピネッティーナ。所謂オッタヴィーノとかオクターヴスピネットと呼ばれる楽器ですね。
音域は普通のチェンバロより1オクターヴ高い音域となっています。

イギリスのEMS社のキットをプロの製作家が組み立てたもので、それを2年前に譲っていただき、現在僕の所に来てくれたわけです。小さい楽器ですが、音色や音質は十分にアンサンブルでも力を発揮してくれます。

実はフレスコバルディにもこの楽器を指定したトッカータがあるのです。
今回の演奏会ではその中の1曲も演奏します。

調律は一番下のミ~ドの鍵盤の音域がショートオクターヴになっています。
つまり、ミはド、ファ♯はレ、ソ♯はミとなっています。
17世紀のチェンバロ音楽に出てくる、広い左手の音程は、超大きな手を持っていた人だけ届いたわけではなく、実はこのショートオクターヴによって誰でも普通に届いたわけです。
どんな音色がするのかは、当日のお楽しみ!

ちっちゃい!
天使さんが見守ってくれます。  

モデルとなった楽器はイギリスのヴィクトリア&アルバート博物館に所蔵してある楽器。
1600年頃のイタリアの楽器だとされています。
オリジナルの楽器には箱にも絵が描かれています。

ネタバレになりますが、今回演奏するトッカータは『スピネッティーナまたはリュートのた
めの』と書かれています。フレスコバルディはこのほかにも2つスピネッティーナのための作品を残しています。

 
カラヴァッジョ(1571~1610 伊)の画にも並んで書かれています。


『リュートを弾く若者』1596年頃。

リュートとチェンバロはもともと関係が深いのですが、、持ち運びが出来て、テーブルに置けばどこでも弾けたスピネッティーナは、とりわけ『鍵盤のついたリュート』という発想が強かったのではないかと推測されます。実際18世紀になっても使われた記述があり、その利便性も助けて、使われる機会は少なくない楽器だったのでしょう。

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プロフィール

HN:
曽根田 駿 Soneda Hayao
年齢:
31
性別:
男性
誕生日:
1992/08/31
職業:
チェンバロ、古楽ハープ弾き
自己紹介:
愛媛県松山市出身。
4歳からピアノを始める。
松山南高等学校在学中、チェンバロに出会い転向する。

東京芸術大学音楽学部器楽科チェンバロ専攻卒業。在学中、2年次よりバロックダンス部の部長を務める。
2015年より渡仏し、リヨン国立高等音楽院CNSMDLのチェンバロ専攻学士課程に在学。2018年6月に演奏家ディプロマDNSPMを取得した。
2018年9月より、同校のクラヴサン―通奏低音専攻修士課程、及び古楽ハープ学士課程在学。

ピアノを冨永啓子氏、チェンバロを石川陽子、大塚直哉、西山まりえ、Y.レヒシュタイナー、J-M.エイム、D.ベルナーの各氏に師事。
古楽ハープを西山まりえ、A.モイヨンの各氏に師事。

2014年3月に初のソロリサイタルを萬翠荘(愛媛)にて開催。
2015年3月には『ハープ祭り2015(西山まりえ氏主宰)』において、『プチっとリサイタル』に選出され、ゴシックハープで出演する。
東京芸大在学中より様々なアンサンブルとも共演し、ソロ、通奏低音共に研鑽を積んでいる。

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