pas à pas
前に進もう…少しずつ。少しずつ。
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【織りなす旋律2】、いよいよ最初の浜松公演が週末に迫ってきました。
このアレンジの紹介も、前回の最後の方に引き続き、特徴的な音型を2つ紹介して、今回で最後にしようかと思います。
・トリッロ
トリッロ(トリル)はハープの作品で特徴的な音型の一つです。
特にナポリの作曲家の編曲版には良く出てきます。
前回載せた譜例にもトリッロ・ドッピオという単語が使われていました。
トラバーチは装飾音表を付けていないのですが、実は『トリッロ』という呼ばれるこの時代色々あり、
例えばエミリオ・デ・カヴァリエ―リが1600年の『魂と肉体の劇』に載せているトリッロは上の音との反復ですが、
ジュリオ・カッチーニが1602年の『新音楽』で載せているトリッロは同音の連打です。
例として使われている音も、カヴァリエ―リは同じ音が2個連続しているとき、カッチーニは1音下行するときと違っています。
ハープとか鍵盤楽器だと同音連打ってやりにくいし、歌や旋律楽器ほど良い効果がでないので、トラバーチのトリッロは、僕は上の音との反復にしていますが、一語が意味する範囲が広い場合もある時代なので、悩ましいところです。
また、同じく『t』から始まる装飾音としてトレモロがあります。
トレモロも、違う音との反復と、導音連打と2種類あって、。
例えば1593年のジローラモ・ディルータの『トランシルヴァニア人』は違う音との反復
1620年のフランチェスコ・ロニョーニの『種々のパッセージの森』は同音連打
ちなみにロニョーニはトリッロも同音連打です。
図だけだと書かれていないのですが、ロニョーニは『グロッポ』という別の形の装飾音の項目で、意訳すると『自分はグロッポはこう書くべきだと思うけど、トリッロをこういう風に書く人いっぱいいます』と書いています。
そのグロッポはこちら
楽譜上には良く『t.』だけが略記されていることがあるのですが、
略記だけだと困っちゃいますね。
トラバーチはさらに、この曲の冒頭で、下のような印
が書かれている時には、この音型のトリッロをしてくださいねと書いています。
現代譜に直すとこれです
楽譜作成ソフトだとこんなおしゃれな表示が見つからなかったので、t.のとなりに+で書いていますが、この印がある下のようなところでは、音が全部かかれていなくてもこのタイプのトリッロをしてくださいね。と書いています。
最近新しい日本語訳が発表されたアゴスティーノ・アガッツァーリの1607年『低音上での演奏法』でもハープ、アルパ・ドッピアの演奏法の特徴として、トリッロが挙げられているので、トリッロはハープの長所だという共通の認識があったのかなと思います。
・強弱
ハープの作品はチェンバロとかオルガンの作品と似た要素が多いのですが、鍵盤楽器よりも得意なのが明確な強弱です。
トラバーチはそれを活かして、エコーを作品の中に取り入れています。それがこちら。
現代譜に直すと
初めて見たときは、変な譜割だなと思っていたのですが(実際変ですが…)演奏してみるとすごく効果的です。
何か長くなってしまったのですが、さらっと紹介ということだったので、こんな感じでしょうか終わろうと思います。
どんなところがどこに適用されているかは、聴きに来てのお楽しみということで!
会場でお待ちしています!
このアレンジの紹介も、前回の最後の方に引き続き、特徴的な音型を2つ紹介して、今回で最後にしようかと思います。
・トリッロ
トリッロ(トリル)はハープの作品で特徴的な音型の一つです。
特にナポリの作曲家の編曲版には良く出てきます。
前回載せた譜例にもトリッロ・ドッピオという単語が使われていました。
トラバーチは装飾音表を付けていないのですが、実は『トリッロ』という呼ばれるこの時代色々あり、
例えばエミリオ・デ・カヴァリエ―リが1600年の『魂と肉体の劇』に載せているトリッロは上の音との反復ですが、
ジュリオ・カッチーニが1602年の『新音楽』で載せているトリッロは同音の連打です。
例として使われている音も、カヴァリエ―リは同じ音が2個連続しているとき、カッチーニは1音下行するときと違っています。
ハープとか鍵盤楽器だと同音連打ってやりにくいし、歌や旋律楽器ほど良い効果がでないので、トラバーチのトリッロは、僕は上の音との反復にしていますが、一語が意味する範囲が広い場合もある時代なので、悩ましいところです。
また、同じく『t』から始まる装飾音としてトレモロがあります。
トレモロも、違う音との反復と、導音連打と2種類あって、。
例えば1593年のジローラモ・ディルータの『トランシルヴァニア人』は違う音との反復
1620年のフランチェスコ・ロニョーニの『種々のパッセージの森』は同音連打
ちなみにロニョーニはトリッロも同音連打です。
図だけだと書かれていないのですが、ロニョーニは『グロッポ』という別の形の装飾音の項目で、意訳すると『自分はグロッポはこう書くべきだと思うけど、トリッロをこういう風に書く人いっぱいいます』と書いています。
そのグロッポはこちら
楽譜上には良く『t.』だけが略記されていることがあるのですが、
略記だけだと困っちゃいますね。
トラバーチはさらに、この曲の冒頭で、下のような印
が書かれている時には、この音型のトリッロをしてくださいねと書いています。
現代譜に直すとこれです
楽譜作成ソフトだとこんなおしゃれな表示が見つからなかったので、t.のとなりに+で書いていますが、この印がある下のようなところでは、音が全部かかれていなくてもこのタイプのトリッロをしてくださいね。と書いています。
最近新しい日本語訳が発表されたアゴスティーノ・アガッツァーリの1607年『低音上での演奏法』でもハープ、アルパ・ドッピアの演奏法の特徴として、トリッロが挙げられているので、トリッロはハープの長所だという共通の認識があったのかなと思います。
・強弱
ハープの作品はチェンバロとかオルガンの作品と似た要素が多いのですが、鍵盤楽器よりも得意なのが明確な強弱です。
トラバーチはそれを活かして、エコーを作品の中に取り入れています。それがこちら。
現代譜に直すと
初めて見たときは、変な譜割だなと思っていたのですが(実際変ですが…)演奏してみるとすごく効果的です。
何か長くなってしまったのですが、さらっと紹介ということだったので、こんな感じでしょうか終わろうと思います。
どんなところがどこに適用されているかは、聴きに来てのお楽しみということで!
会場でお待ちしています!
日時と場所:
【浜松公演】2022年12月10日(土)14:00開演
@竹林寺(〒433-8112 静岡県浜松市北区初生町580)
@竹林寺(〒433-8112 静岡県浜松市北区初生町580)
【松戸公演】2022年12月25日(日)14:00開演
@つながる古民家隠居屋(〒271-0065 千葉県松戸市南花島中町196)
【東京公演】2022年12月28日(水)19:00開演
プログラム:
4声の自作のカノン
自作のディミニューション
R.ロニョーニ:「別れのとき」によるディミニューション
D.カステッロ:ソナタ第10番 ほか
出演:
桐畑 奈央(リコーダー)
中島 恵美(リコーダー、トラヴェルソ)
長谷川 太郎(ドゥルツィアン)
曽根田駿(バロック・ハープ)
料金:
【浜松公演】一般前売り3,000円 当日3,500円
【松戸&東京公演】一般前売り3,500円 当日4,000円
【学生券(30歳以下)】全公演共通 前売り2,000円 当日2,500円
ご予約、お問い合わせ
・お申込みフォーム https://forms.gle/RYJRfFbSQkxs35499
・メール ensemble.5te.s@gmail.com
・お電話 080-5672-2747
・チケットぴあ Pコード:226-879 http://t.pia.jp
主催:イ・フィラトーリ・ディ・ムジカ
後援:【浜松公演】浜松市、(公財)浜松市文化振興財団
文化庁Arts for the future!2補助対象事業
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プロフィール
HN:
曽根田 駿 Soneda Hayao
年齢:
32
HP:
性別:
男性
誕生日:
1992/08/31
職業:
チェンバロ、古楽ハープ弾き
自己紹介:
愛媛県松山市出身。
4歳からピアノを始める。
松山南高等学校在学中、チェンバロに出会い転向する。
東京芸術大学音楽学部器楽科チェンバロ専攻卒業。在学中、2年次よりバロックダンス部の部長を務める。
2015年より渡仏し、リヨン国立高等音楽院CNSMDLのチェンバロ専攻学士課程に在学。2018年6月に演奏家ディプロマDNSPMを取得した。
2018年9月より、同校のクラヴサン―通奏低音専攻修士課程、及び古楽ハープ学士課程在学。
ピアノを冨永啓子氏、チェンバロを石川陽子、大塚直哉、西山まりえ、Y.レヒシュタイナー、J-M.エイム、D.ベルナーの各氏に師事。
古楽ハープを西山まりえ、A.モイヨンの各氏に師事。
2014年3月に初のソロリサイタルを萬翠荘(愛媛)にて開催。
2015年3月には『ハープ祭り2015(西山まりえ氏主宰)』において、『プチっとリサイタル』に選出され、ゴシックハープで出演する。
東京芸大在学中より様々なアンサンブルとも共演し、ソロ、通奏低音共に研鑽を積んでいる。
にほんブログ村
4歳からピアノを始める。
松山南高等学校在学中、チェンバロに出会い転向する。
東京芸術大学音楽学部器楽科チェンバロ専攻卒業。在学中、2年次よりバロックダンス部の部長を務める。
2015年より渡仏し、リヨン国立高等音楽院CNSMDLのチェンバロ専攻学士課程に在学。2018年6月に演奏家ディプロマDNSPMを取得した。
2018年9月より、同校のクラヴサン―通奏低音専攻修士課程、及び古楽ハープ学士課程在学。
ピアノを冨永啓子氏、チェンバロを石川陽子、大塚直哉、西山まりえ、Y.レヒシュタイナー、J-M.エイム、D.ベルナーの各氏に師事。
古楽ハープを西山まりえ、A.モイヨンの各氏に師事。
2014年3月に初のソロリサイタルを萬翠荘(愛媛)にて開催。
2015年3月には『ハープ祭り2015(西山まりえ氏主宰)』において、『プチっとリサイタル』に選出され、ゴシックハープで出演する。
東京芸大在学中より様々なアンサンブルとも共演し、ソロ、通奏低音共に研鑽を積んでいる。
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