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前に進もう…少しずつ。少しずつ。

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しばらく宣伝の投稿ばかりしていたのですが、今日はただの日記を書こうと思います。

この度、5年在籍したリヨンのCNSMDを古楽ハープ科は卒業、チェンバロ/通奏低音科は修了しました。
紙のディプロマが届くのはまだ先ですが、とりあえず正式に認められたので安心しました。

入試の日のこと、日本を離れる前の日のこと、リヨンで生活を始めた日のこと、不安いっぱいで登校して、フランス語分からな過ぎて疲れ切ったオリエンテーションの日のこと、昨日のことのように思い出せるのに、いつの間にか5年も経っていました。


いつものレッスン部屋。そういえば入試もこの部屋でした。

あっという間に過ぎたけれど、この5年間はあらゆる面で自分のためになったなと思います。
住んでみたからわかるフランスやヨーロッパの良い所、悪い所、人々の価値観の多様さ、古楽を含めた音楽文化の受け入れられ方、勉強の進め方…体験した全てのことが、今後の自分の支えになる気がしています。

日本に居たときには『留学なんて空気を吸いに、遊びに行くようなものでしょ』という言葉も聞きましたが、僕にとっては全然そんなものではありませんでした。


学校の回廊

リヨンのCNSMのことを具体的に書くと、中世~バロックまで様々な内容を一通り体験できる学部生のカリキュラム、一次資料を翻訳無しで読める先生たちとのレッスン(大体の人は3か国語以上は使える)、良い意味で研究と実践が混然一体となっているレッスン、授業、セミナー、演奏会…どれも古楽の勉強には欠かせないけど日本では体験しにくいものばかりでした。

それから、僕は先生で学校を選んだわけではなかったけれど、古楽科の先生たちはどの先生たちも、技術的にも音楽的にも素晴らしい先生たちでした。
チェンバロに加えてハープもやっていたので、たぶん全ての先生のところに伴奏か何かで一度はレッスンに行ったはずですが、それぞれ全然違った音楽のとらえ方をしていました。

そして、どの先生たちも演奏に対する意見は言って、技術的な指導もするけど、自分と違う意見を潰そうとするようなことはしてきませんでした。それは先生同士でも、学生に対しても同じで、良い所を伸ばしてくれるようなレッスンでした。
少なくとも、僕がチェンバロで習った4人の先生とハープの先生は、一次資料の情報を学生と共有する時間を定期的に(通奏低音の学部生の場合はほぼ毎回)取ってくれました。それは、僕の演奏家として、先生としての将来の理想像とも言えるような姿でした。


学校の庭

贔屓するわけではないけど、留学を考えている人がもし近くに居たら、自信を持って勧めたい学校です。
ただ、3年前くらいから、日本の学校で「学部」を出ていると、同じ楽器で「学部」に入ることが出来なくなりました。というか、そのルールが厳しく守られるようになりました。僕のように芸大で学部を出てから、リヨンの学部に入りなおすということが出来なくなったというわけです。

なので、もしリヨンにこれから学部で、現役で入学したいと思う人は、現役だと高校を出てすぐ留学しなければいけないということになるのですが、中々厳しいルールだなと思います。
どこかを休学して留学するという手もありますが、いずれにせよ、外国人を締め出そうとするようなこのルールの変化はいかがなものかと思っています。。。

長くなりましたが、リヨンにはこの9月まではとりあえず居て、修士リサイタル代わりのコンサートをさせてもらってから完全帰国する予定です。
日本でも頑張りますので、帰国したらまた応援していただけると嬉しいです。

拍手[13回]

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世界的に大変なことになっているコロナウイルス対策ですが、とうとうフランスも今週から休校、そして火曜からは外出制限までかかってしまいました。
年が明けてからは結構忙しくしていたのですが、ここにきてまさかの休みが出来てしまいました。
せっかくだからゆっくりしつつ、この時間にこそ出来る勉強に励もうかなと思っています。
先生たちも何だかんだ課題を出してくるので退屈しなさそうです。

今日は1月からのことと、先日ようやく終えた僕の修士論文について書こうかなと思います。



〇1月から3月までのこと
振り返ってみると1月は、
ヴァイオリン奏者の出口実祈さんの伴奏でイタリアのロヴェレートに一緒に行かせてもらったり、

今年度が始まってから準備していたモンテヴェルディの『ポッペアの戴冠』を抜粋で演奏したりと、演奏の準備で有意義な時間を沢山過ごしました。

2月は後半がバカンスだったのですが、明けてすぐに論文の提出があったので、休み中は友達にフランス語の確認を頼んで、直しながらせかせか書いて、ようやく終わりました。

3月にはマルセイユのMars en Baroqueという音楽祭で少し弾かせてもらったり、ハープ科の演奏会で17世紀イギリス音楽に取り組んだりして、論文から解放されて演奏できることを喜んでいたのですが、この2つを終えた週に、現在のような国を挙げての一斉休校になってしまいました。

〇論文の内容について
論文は『ボーシャン=フイエ記譜法の普及と18世紀イギリス音楽への影響Le rayonnement du "système Beauchamp-Feuillet" et son influence sur la musique anglaise au XVIIIème siècle
というタイトルで書きました。バロックダンスについての論文です。

深くダンスに関わるようになったのは芸大の1年生の時にたまたま誘われて入ったバロックダンス部がきっかけだったのですが、なんだかんだ部長になり、なんだかんだ舞踏譜を読めるようになって、興味も知っている内容も少しずつ深くなってきていたので、前々から自分の知識の整理もかねて、何かまとまったものに残したいなと思っていたので、今回このテーマを選ぶことになりました。

『ボーシャン=フイエ記譜法』はルイ14世の治世に考案された、踊りを書き記すための方法で、その時代のフランス様式の踊りをヨーロッパ中に普及させるのに大きな役割を果たしました。現在バロックダンスと呼ばれている踊りを再構築するときには、この記譜法で書かれ、出版された舞踏譜、そしてそれを説明するために書かれた理論書を基にしています。踊りを書き記す方法は他にも考案されているのですが、結局この記譜法が最も普及しました。

↑舞踏譜

なぜイギリスのダンスに注目したかというと、ヨーロッパ諸国の中でもイギリスではとりわけ多くの舞踏譜が出版されており、ホーンパイプのようにイギリスでしか出版されなかったタイプの舞曲があったり、ヘンデルのオペラの中の曲に振り付けがされていたりと、独自の発展も見受けられるからです。

↑ホーンパイプの舞踏譜


↑ヘンデルの『シピオーネ』の中のマーチの振り付け


記譜法について詳しくまとめたり、フランスとイギリスでの細かなステップの違いを見ていったりしていったものの、やはり2年じゃリサーチの時間が全然足りませんでした。また、初の論文をフランス語で、しかも体の動きを文章で伝えるという作業は正直とても大変でした!18世紀の教則本を読みながら、それを書き記した18世紀のダンス教師たちには頭が下がる思いでした...(笑)
もちろん今回調べたことで、今までぼんやりとしか知らなかったことがクリアになったし、新しいことも多く知れたのですが、それをまとめるのが今の状態では限界で、特に踊りを実践して分析してみる時間はほとんどありませんでした。

踊りのステップやフィギュアにはその振り付けをした人が、どのようにその音楽を聴いていたかが反映されていると個人的に思うのですが、それも振り付けを踊ってみないことにはわからないところもあるので、修了してからも今回書いた修論をこれからの自分のリサーチのベースにしていけると良いなと思います。

というわけで今日はこんなところで。。。
学校が忙しいのも大変ですが、少しでも早く元の生活に戻れますように!

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またずいぶんとブログを放置してしまいました。。。すみません!

今回はいったんイタリア旅行記はお休みして、4年目の学期が無事に終わったお話とお知らせを書こうと思います。

まずは今年度が終わったお話から。
このブログでもちょくちょく書いているように、この一年はハープの専攻を増やしたことで、当初思っていたよりも色々なことに追われた一年でした。
プロジェクトや論文、両方の楽器の練習やその他諸々の勉強に追われることは予想していたのですが、今までは入学時に提出すればその後は出さなくても良かったフランス語の資格を提出しなければいけなくなったのは予想外でした。テストのための勉強なんか全然放置していた僕はもうあたふたしちゃって…思っていたより手こずりました…。
結局無事に取れましたが、学校側も突然「取れなかったら停学させます」なんて脅し文句付きで迫ってくる始末で、急に降ってきた理不尽に怒りながらもやるしかなく、色々やりながらの勉強は正直きつかったです。

そして、5月には論文関係の書類を提出しなきゃいけなかったのに、前回のブログの記事を書いた翌日にパソコンが壊れて、全部書き直しになったり、6月の試験伴奏シーズン初日に風邪をひいて熱を出してしまったりと、もう最後の最後まであたふたした一年になってしまったなという感じです。
たぶん僕はストレスが重なると体調を崩してしまうようなので、忙しい時ほどリラックスする時間を作るように心がけようと思います。
9月から始まる来年度はリヨンで勉強する最後の年でもあるのですが、今年のように何かに追われすぎることのないように、もっと能動的にプロジェクトや勉強を楽しめるように今から計画的に準備していこうと思っています。特に論文とか論文とか論文とか…

さて、お知らせのほうですが、この今年の年末年始には帰国する予定でいます。フランス人の友達も日本に遊びに来るみたいで、いつもとてもお世話になってる友達なので東京観光も連れて行ってあげたいと思っていますが、もし演奏やレッスンのご依頼などがありましたら、是非ご連絡いただければ、とても喜びます。今のところまだ全然予定を組んでないので、今ならフレキシブルに動けます。
松山にも帰る予定なので、基本的には東京か四国でということになると思います。

レッスンの場合はチェンバロをお持ちの方は交通費(都内宿泊地から/松山市内の実家から)+5000円/1時間。ピアノでも可ですが、18世紀までのレパートリーに限らせていただければ幸いです。
チェンバロを持って移動は今回はできないので、楽器を持っていないけれど、チェンバロでレッスンを受けてみたいという方は個別にご相談させていただきたく思います。
ソロでも通奏低音でもかまいません。もちろん初心者の方もお気軽にお問い合わせください。経験者の方でも、特に数字の振り方がとっつきにくい17世紀通奏低音や、ダンスのスタイルのものなど、理論面で悩みやすいところ、ちょっととっつきにくい部分も具体的にサポートできるかなと思います!(自分で言うのもアレですが(*_*;一応その辺がどちらかというと得意な分野ですということで…)

いずれもご連絡は各種SNS(Facebook, twitter, instagram)のメッセージ、あるいはこちらのメールアドレスevent.hs831.cembalo@gmail.comまで。どうぞよろしくお願いします!

暑いですが、皆さんも体調に気を付けてお過ごしくださいね!

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フィレンツェの旅行記の2回目ですが、今回はウフィツィ美術館、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂について書こうと思います。


ウフィツィ美術館の横にあるシニョーリア広場Piazza della Signoriaの彫刻


どちらとも超有名観光地だけあって、連日大行列が出来ていました…。
フィレンツェに行ったら見た方が良いことは間違いないですが、並ぶのは覚悟した方が良いかもしれません。特に大聖堂そのものはクーポラに上らなければ無料で入場できる一方予約が出来ないので、正面から入りたい場合には結局どうしても並ぶハメになるのです…
しかし、ウフィツィを含むその他の美術館は予約していくだけで列に並ぶストレスが大幅に軽減されるので、見たいところがあれば必ず予約をした方が良いと思います!滞在最終日に軽い気持ちで予約なしでアカデミア美術館に行ったら入るまでに1時間も並びました(^-^;

〇ウフィツィ美術館


サンドロ・ボッティチェリSandro.Botticelliの『春Primavera

様々な名画、名彫刻が所蔵されている超有名な美術館です!
事前に予約してあったのですが、入場時間の指定がある上に予約票をチケットに引き換えしてもらってから入らなければならなかったので、着いた時にはチケットの引換所がわかりにくくてちょっと慌てました。
中に入るとセキュリティチェックがあり、予約済みの列と当日購入の列が合流するのですが、列も順番もあったものではなく(怒)もみくちゃになりながらチェックを終えて入場しました。
連日あのカオスな状態を繰り返しているのかと思うと呆れるばかりですが、きっと改善されることは無いでしょう(笑)

中に入ると入口のストレスをすっかり忘れさせてくれるような空間が広がっていました。



天井も綺麗に装飾されています



建物内部の装飾も綺麗ですし、もちろん美術品も見ごたえバッチリ。結構広いのでじっくり見るとそれなりに時間がかかりますが、せっかく行くならゆっくり鑑賞することをおススメします。

メディチ家歴代のコレクションが所蔵されているだけあってボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、カラヴァッジョ等のイタリアルネサンス美術の宝庫とも言える場所だったので、個人的にはとっても楽しかったです。某ファミレスでよく見る有名絵画の多くも、本物はここに所蔵されています。フラッシュはダメですが、写真はOKなので撮りまくりです(笑)

レオナルド・ダ・ヴィンチLeonardo da Vinciの『受胎告知Annunciazione


サンドロ・ボッティチェリSandro.Botticelliの『ヴィーナスの誕生La Nascita di Venere


ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョMichelangelo Merisi da Caravaggioの『メデューサの頭Testa di Medusa

また、楽器や楽譜が描かれているモノもいくつかありました。


フランドルの画家ハンス・メムリンクHans Memlingの『聖母子と2人の天使Madonna in trono tra due angeli

ロッソ・フィオレンティーノRosso Fiorentinoの『奏楽の天使Angelo musicante


ピエール・フランチェスコ・ディ・ヤコポ・フォスキPier Francesco di Jacopo Foschiの『音楽家の肖像Ritratto di musico

この楽譜は読めそう!

テラスからはお隣にあるヴェッキオ宮殿が見えました。

この宮殿も訪れたので、別の回に書こうと思います。
日本で数年前にあったウフィツィ美術館展には行きましたが、天井や部屋の装飾は流石に見ることが出来なかったので、やはり実際に現地に行ってみると雰囲気も楽しめてとても良かったです。
入場の時は気が付かなかったのですが、入場の列が出来ている場所にはフィレンツェに関連した偉人達の像が建っていました。

ダ・ヴィンチ

ペトラルカ

ガリレオ・ガリレイ

ダンテ

〇サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

次はフィレンツェの顔とも言える大聖堂について書こうと思います。

1436年の献堂式でギョーム・デュファイGuillaume du Fayのモテット「ばらの花が咲頃Nuper rosarum flores」が演奏されたことでも有名ですよね!

完全予約制になっているクーポラcupolaは予約していたので、合わせて聖堂の向かいにあるサン・ジョヴァンニ洗礼堂Battistero di San Giovanni、ジョットの鐘楼Campanile di Giotto、大聖堂の博物館は同じチケットで入場できました。


ジョットの鐘楼

クーポラの予約は現地でも出来るようなのですが、博物館に掲示されていた予約状況を見てみると、5日先まで予約がいっぱいとなっていました。早めにネットで予約していった方が良いと思います。

・クーポラと大聖堂


ジョルジョ・ヴァザーリGiorgio Vasariと彼の死後引き継いだフェデリコ・ツッカリFederico Zuccariによる天井の『最後の審判Giudizio Universale

クーポラは屋根の上に乗っている卵みたいな部分の所のことです。中から上るためには予約が必須となっていました。
30分ごとに時間が区切られていますが、遅れると入れなくなるのでちょっと早めに行くといいかもしれません。結構階段がきついし怖い場所もあるので、早めに待っておいて列の前の方にいれば適度にゆっくり自分のペースで上りやすいかなと思います。

上からの景色です。


予約が夕方の5時半だったので、中に入った時には正面からの入場は終了しており、がらんとした聖堂内部を見ることが出来ました。

実は正面からの行列に並ぶのがめんどくさくなってしまったので、結局内部を見たのはこのとき限りになりました…
同じような理由でもう一度高い建物に上るのはしんどかったため、ジョットの鐘楼もパスしました(笑)

・洗礼堂と博物館


洗礼堂は『神曲』の著者としても有名なダンテ・アリギエーリDante Alighieriが洗礼を受けた場所としても有名で、『神曲』の中でも名前が登場します。

内部の様子。全面モザイク模様で飾られています。

天井は13世紀に描かれた『最後の審判』

保存のために外の「天国への門」をはじめとする門や彫刻などのオリジナルは博物館に所蔵されています。

ミケランジェロが『天国への門』と呼んだことで有名な東側の扉。作ったのはロレンツォ・ギベルティLorenzo Ghiberti

博物館の様子

クーポラの建築で使われたらしいクレーンみたいな機械。まさかの木製…

左からリュート、オルガネット、ヴィエラを持つ天使

聖歌のための大型の譜面台と楽譜

結局音楽関係のものをはしゃいで撮っています(笑)

今回はこれで終わろうと思います。沢山写真も撮ったし紹介したいこともあるのですが、一体いつまでかかることやら。。。気長にお付き合いいただけると嬉しいです。

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4月13日から今日までは、学校がバカンスでした。
今回のバカンスは、ずっと行ってみたかったイタリアの2都市、フィレンツェとヴェネツィアに行ってきたので、それぞれの街毎に3回分ずつくらい、旅行記のようにまとめてみたいと思います!

どちらも知らない人はいないほどの観光都市ですが、特に18世紀までの芸術文化の中心地でもあり、数ある作曲家たちが過ごした場所を是非生で見てみたかったのです。

というわけで、今回は「フィレンツェ編―その1―」です。
フィレンツェは音楽の面からみると、16世紀後半から17世紀初頭にかけてモノディや通奏低音をはじめとした、所謂「バロック音楽」の先駆けとなった街として良く紹介されます。
個人的にはこういう話は眉唾物だなと思うのですが、よく「オペラや通奏低音を発明したのがフィレンツェのカメラータにいたカッチーニやペーリだ」なんて言われたりしますね。
彼らが音楽や演劇を熱心に研究していたことは間違いないのですが、専門家っぽい人がこういうことを簡単に書いたり言ったりするのをみると「アーアー…」と思ってしまいます(苦笑)

そういうことはともかく、フィレンツェは音楽だけでなく美術や演劇、天文学や数学、文学など様々な知的な活動が行われていた地です。この旅でも、多くの建築や美術品を見ながらその名残を感じ取ることが出来ました。

初回となる今回はどこかとりわけ観光地を紹介するのではなく、旅行中度々散歩に出たので、その様子と、あとは食事について書こうと思います。

〇到着!

今回は飛行機で一度ヴェネツィアまで飛んで、その後さらに列車でフィレンツェまで移動しました。空港から駅に向かう途中、海やヴェネツィアの街がちらっと見えたのですが、後日にお預けです。。。


列車でサンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着し、一度ホテルに荷物を置いたら、もう時間も観光地は閉まってしまう時間だったので散歩へ出かけました。

〇街歩き

・ミケランジェロ広場からの眺め

フィレンツェの街が一番綺麗に見れるというミケランジェロ広場Piazzale Michelangelo
まずはここからの街の様子です!




フィレンツェは商業で発展した街なので、お金持ちが優れた建築家を雇って自分の宮殿を建てたため、ちょっと歩くだけですぐに「○○宮殿 Palazzo ○○」を見つけられるような、街そのものが博物館という感じでした。有名なメディチ家も銀行業で台頭してから次第に権力をつけていきましたが、それ以外にも沢山の名門が存在したわけです。


有名なヴェッキオ宮殿Palazzo Vecchio(左)とウフィツィ美術館Gallerie degli Uffizi(右)

モッツィ宮殿Palazzo dei Mozzi 知らなかったので行きませんでしたが、実は穴場の美術館らしい。

メディチ=リカルディ宮殿の庭 Palazzo Medici-Riccardi

歩きながらだったので、逐一調べてはいませんが、この記事を書きながら試しにイタリア語で「フィレンツェの宮殿Palazzi di Firenze」とググってみると、ウィキペディアに凄まじい数の宮殿の名前がリストアップされていました(^-^;
歴史や文化に興味がある人なら街歩きだけでも滅茶苦茶楽しめると思うので、散歩は超おススメです!もちろん中を見れないところも多いですが、これらの宮殿にまだ人が住んでいるというのもこの街のすごいところです…。
有名なピッティ宮殿やヴェッキオ宮殿の中は別の回で書こうと思います。

・その他の風景
もちろん、ただ街歩きをぶらぶら歩くのも楽しいです!
が、日中は常に人が多いのでスリなどにはくれぐれもお気をつけて。観光客の国籍を見極めることに慣れているからか、フランス人よりもそれぞれの国籍に合わせて挨拶をしてきて気を引こうとする輩も多くいるように感じました。


ヴェッキオ橋Ponte Vecchio周辺



確かドゥオモ広場Piazza Duomoのあたり


駅から見えるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会Basilica di Santa Maria Novellaの裏にある広場


メディチ家礼拝堂 Cappelle medicee周辺
メディチ家礼拝堂の入口はこの写真に見えている教会の裏手にあります。
写真にデカデカと映っているのはサン・ロレンツォ聖堂Basilica di San Lorenzo
聖堂への入場、付属のラウレンツィアーナ図書館Biblioteca Medicea-Laurenzianaはそれぞれ別で料金がかかりますがここの回廊はとても綺麗でした。この季節は花が咲いて、回廊も教会内も可愛く彩ってくれています。



また図書館はミケランジェロのデザインによるもの。後から知ったので今回こちらには入っていませんが、訪れた際には是非こちらも見てみてください!




街の建物に沢山の種類の紋章を見かけました。それぞれの紋章の意味も知りたいなぁ...

ミケランジェロ広場から帰りに通ったアルノ河の対岸からの景色も良い感じでした!
ちょうど日が沈むころを狙っていったので、夕日がとっても綺麗でした。

国立図書館も正面から綺麗に見えます。

〇食事
今回のように長期間どこかの都市を見て回るときは、キッチン付きのアパートホテルみたいなところを取るようにしています。2人で行くとその方が安いし、外食より体調も整えやすく、食費も安く上がるので。
それでも、数回はその土地の美味しいものを食べに出かけるようにしていて、フィレンツェでは2回ほどレストランに行きました。1回目は海鮮料理を扱うバーみたいなところに、2回目は友達が勧めてくれたレストランで名物のTボーンステーキを食べました。
ちなみに、1か月くらい前に食べ過ぎで体調を崩して以来、すっかり食事の量が減り、良いものを適量美味しく食べるという技をようやく身に着け始めました(笑)

1軒目はフィッシング ラブ アレ ムラーテFishing Lab Alle Murateというお店。
電話で予約も出来ますが(英語可)、面倒なので直接行きました。
店の2階が綺麗なお店なようなので、気になる方はトリップアドバイザー等で見てみてください。2階の席にどうしても行きたい場合は、予約したほうが良いかもしれません。

マグロTonnoのタルタル

カジキSpadaのタルタル
どちらも玉ねぎやレモン、パイナップルと混ぜられています。魚も新鮮で美味しかったです!

ポルチーニ茸のラビオリ。エビとカニのソースがかかっています。

白身魚とトマトソースのパスタ。
パスタはフランスと違ってちゃんと固目に茹でてくれてるし、ソースには魚介の出汁がしっかり効いててとても美味しかったです。ボリュームも満点。

値段も割とリーズナブルで、カウンターもあるので軽く一杯ひっかけながら、タルタルなどのおつまみを気楽に楽しむのもいいかもしれません。ただ、付け合わせに出てくるパンはその他のイタリアの店と同じく、全然美味しくありません。フランスのパンが美味しいのでそれに慣れているからかもしれませんが、それにしてもパンは美味しくないのです(;_;)

2軒目はリストランテ・ダ・リーノRistorante da Lino
ここは割としっかりめのレストランという感じで、隣の席にはいかにもお金持ってそうな現地の老夫婦が座っていました。
ここではTボーンステーキを注文したのですが、100gごとに注文できるので、2人で500gを注文して分け合うことにしました。

ガラガラとカートに載せて持ってきて、そこで切り分けてくれます。見た目の割に全然脂っこくなく、美味しい赤みのお肉でしたが、食べ応え十分です。これとサラダでお腹いっぱいになりました。会計の後、リモンチェッロをご馳走してくれたのですが、これがまた美味しかったです。
ちょっとお高めのお店でしたが、店員さんも親切ですし、おススメです。

余談ですが、フィレンツェのカフェやスーパー、観光地で働いている人も含めて嫌な感じの人がとても多かったのにはびっくりしました。
愛想悪い人は良くいますが、同僚と話しながら本当に適当に仕事してる感じで、挨拶しても無視する人も多く、あまり良い印象がありません。

あとはプラスαで中央市場Mercato Centraleも楽しいところでした。

2階建てになっていて、1階には所謂普通の市場のように肉、魚、野菜、チーズ等々の生鮮食品と数軒食事ができるお店が入っているのですが、こちらは午後早いうちに閉まってしまいます。
一方、2階はフードコートになっていてお酒を出すバーがあり、それに合うようなおつまみを好きなところから買ってきて食べることが出来ます。色々なものを一度に味わいたいのなら、こちらもおススメです!特に値段が格別安いということはありませんが、テーブルチャージ無しで、色々な物を選んで食べることが出来るのは意外とお得だと思います!

街で飲んでいる人を良く見かけるスプリッツSpritz
こんな可愛い見た目で、皆ジュースを飲んでいるかのようにへっちゃらな顔して飲んでいますが、結構強いです!アルコールダメな人は気を付けて下さい!!僕はこの一杯を飲みきれずに断念しました。また旅行者は皆気になっているのか、通りがかりにこれが何なのかと、買える場所について何度か質問されました(笑)

このお肉屋さんのように少しだけ生鮮食品を扱っている店もあります。

また、トイレは無料ですが、特に女性の方は混んでいます。市場のトイレなので清潔さは「それなり」です。

最後にイタリアと言えばカフェということで、何種類かカフェの写真を載せて今回は終わりです。一部見た目がグチャッとしているモノもありますが、既に出てきた時にはこの状態だったので悪しからず…。
観光地近くのカフェは観光客用にとっても高く値段設定されている所が多いので、おススメは街の中の方にある地元民も利用して良そうなカフェです。クオリティは変わらず美味しいですし、値段もちゃんと適正価格(エスプレッソが1~1.2€)といった感じですので。


定番のエスプレッソEspresso


イタリア版アイスコーヒーCaffe shakerato(手前)とアメリカンCaffe americano(奥)


名前忘れたけど、多分ヘーゼルナッツのコーヒーcaffè alla nocciola…超甘いです。

続きます。。。





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プロフィール

HN:
曽根田 駿 Soneda Hayao
年齢:
32
性別:
男性
誕生日:
1992/08/31
職業:
チェンバロ、古楽ハープ弾き
自己紹介:
愛媛県松山市出身。
4歳からピアノを始める。
松山南高等学校在学中、チェンバロに出会い転向する。

東京芸術大学音楽学部器楽科チェンバロ専攻卒業。在学中、2年次よりバロックダンス部の部長を務める。
2015年より渡仏し、リヨン国立高等音楽院CNSMDLのチェンバロ専攻学士課程に在学。2018年6月に演奏家ディプロマDNSPMを取得した。
2018年9月より、同校のクラヴサン―通奏低音専攻修士課程、及び古楽ハープ学士課程在学。

ピアノを冨永啓子氏、チェンバロを石川陽子、大塚直哉、西山まりえ、Y.レヒシュタイナー、J-M.エイム、D.ベルナーの各氏に師事。
古楽ハープを西山まりえ、A.モイヨンの各氏に師事。

2014年3月に初のソロリサイタルを萬翠荘(愛媛)にて開催。
2015年3月には『ハープ祭り2015(西山まりえ氏主宰)』において、『プチっとリサイタル』に選出され、ゴシックハープで出演する。
東京芸大在学中より様々なアンサンブルとも共演し、ソロ、通奏低音共に研鑽を積んでいる。

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